映画の明かりを灯し続けるために…

いわゆる「映画のデジタル化」が進められ、ついに国産のフィルム映画の製作は終了となりました。

デジタル映写機器がなければ新しい映画の配給を受けられなくなり、私たちのような小規模な映画館は存続にかかわる岐路に立たされています。

実際に、単館系の映画館が廃業を決めたという話を耳にするたび、「明日は我が身」の思いでした。

熟考を重ねた結果、大黒座はデジタル映写機器を導入することにしました。

【参照記事/2013年11月14日、北海道新聞朝刊、日高版より】

 

デジタル映写機を導入したからといって、突如として来館者が増えるわけではありません。今はもう気持ちを切り替えて、せっかくデジタル映写機を入れたのだから、これまで上映できなかった作品も上映できると思っています。しかし、今後は入館料収入から映写機導入にかかった経費を返済していくのですが、数字を考えてしまうと不安な気持ちになります。

 

歴史ある大黒座の看板を降ろしてほしくないというファンもいらっしゃいます。

しかし、私たちの想いはもっとシンプルなもので、ただ純粋に「映画館で映画を観てほしい」ということです。

映画の環境はめまぐるしく変化し、つくる立場、届ける立場、観る立場それぞれに事情があることも承知しています。

それでもやはり映画館で映画を見るという価値や豊かさは、ぜひ多くの方に感じてほしいと願っています。

                            (4代目館主)

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